「こうあるべき」より「こうしたい」で生きてみる

メンタルヘルス

『べき思考』、あなたにも心当たりはありませんか?
前回のブログでは、イライラの原因になっているかもしれない思考について考えてみました。

「もっと頑張らなきゃ」「完璧にしなきゃ」と自分を追い込んだり、周りに「こうあるべき」と強く思い込んでしまうことはありませんか?実は、この「べき思考」が、私たちのストレスやイライラの元になっていることがよくあるんです。

私もかつてはその典型でした。完璧を求めすぎて、自分や他人に過度な期待を抱き、心がどんどん重くなっていきました。でも、そんな「べき思考」に縛られることをやめたとき、気持ちが大きく変わったんです。

今日は、私が「こうあるべき」から「こうしたい」へのシフトを実践して見えてきた変化と、日常でできる具体的な方法をご紹介したいと思います。

あなたもこの思考の枠から解放されて、もっと軽やかに、自由に生きるためのヒントを見つけてみませんか?

「ストレス製造思考」に気づいた日

若かりし頃、先輩にフィードバックをもらったとき、私はこんな風に答えました。
「いや、このくらい出来て当たり前だと思います。まだまだ全然足りてないと思います。すみません。」

すると、先輩は少し驚いた顔をして、こう聞いてきたんです。
「なんで?それ誰に言われたの?」
「いや…誰かに言われたわけではないけど…」

その瞬間、ハッとしました。

私は誰にに求められたり、指摘された訳でもないのに、
勝手に「もっとやるべき」「まだまだ足りない」と思い込んでいたんです。

いったい誰に、なにに追われていたんだろう?

「べき思考」は人間関係だけじゃない

「べき思考」は自分自身や環境にも向かうことがあります。

自分を追い詰める「べき思考」

✔ 「もっと頑張るべき」 → 無理をして疲弊
✔ 「完璧にこなすべき」 → 失敗を恐れて行動できない
✔「母親(父親)なんだから、こうあるべき」 → 自分を責める原因に
✔ 「管理職なんだから弱音を吐くべきじゃない」 → 我慢しすぎてストレス増大

環境や状況に対する「べき思考」

✔ 「会社は社員を守るべき」 → 実際にはそうならず、失望や怒りに
✔ 「結婚したら子供を産んでこそ幸せ」→ 理想と現実のギャップに苦しむ
✔ 「努力すれば報われるべき」 → うまくいかないと納得できない
✔ 「親は子どもの面倒を見るべき → 実際に頼れないとイライラ

現実は「べき」の通りにいかないことも多い。
でも、「こうあるべき」と思い込んでいると、現実とのズレにストレスを感じてしまうんですよね。

「ストレス製造思考」を緩めるために

「べき思考」を減らすために、日常でできることはいくつかあります。無意識のうちに「こうあるべき」と思ってしまうことが多いので、その思考のクセに気付き、少しずつ意識を変えていくのが大切ににります。

「本当にそうなの?」と問いかける

べき思考が出てきたときに、まずは自分に問いかけてみる。
✔ 「それ、本当に絶対そうしないといけない?」
✔ 「ほかの考え方はない?」
✔ 「みんなそう思うの?」

これを繰り返すことで、思い込みに気づきやすくなります。

「私はどうしたい?」を考える

「相手はこうするべき」と考えるのではなく、自分がどうしたいのかに意識を向ける。
✔ 「本当は何をしてほしいのか?」
✔ 「どうすれば自分が気持ちよく過ごせるか?」
✔ 「伝えるべきことがあるなら、どう伝えればいいか?」

自分の気持ちを整理すると、イライラが減っていきます。

完璧を求めすぎない

どうしても自分や環境に対して完璧を求めてしまう。でも、現実は完璧じゃないことがほとんど。
✔ 「まあ、こんなこともあるよね」
✔ 「相手にも事情があるかも」
✔ 「別のやり方があるかもしれない」
と少し肩の力を抜くのが大事!

「べき」を「〇〇だったらいいな」に変える

「こうあるべき!」と思ったら、一度「できたらいいな」に言い換えてみる。
✔ 「部下をもっと気にかけるべき」 → 「気にかけてもらえたら嬉しいな」
✔ 「夫はこうしてくれるべき」 → 「こうしてくれたら助かるな」

言葉を変えるだけで、心の余裕が生まれます。

相手の立場で考えてみる

べき思考は「相手に期待しすぎる」と生まれやすいのです。
でも、相手にも相手の事情や価値観があることを意識すると、視野が広がります。
✔ 「もし自分が上司だったら?」
✔ 「もし自分が新人だったら?」
✔ 「相手はどんな気持ちなんだろう?」 

こう考えるだけで、相手を責める気持ちが和らぐことも。

自分に対しても「べき思考」をやめる

「私はもっと頑張るべき」「完璧にこなすべき」と思いすぎると、自分を追い込んでしまう。
✔ 「できる範囲でOK」
✔ 「失敗しても大丈夫」
✔ 「自分にも優しくしよう」

自分に優しくなると、自然と周りにも寛容になれるようになります。「べき思考」は、ゼロにしようとすると逆に苦しくなります。だからこそ、少しずつ緩めることが大事です。

キャリアコンサルタントの視点

実は、キャリアカウンセリングを行っている中でも、「べき思考」に縛られて動けなくなっている方が非常に多いです。

例えば…

✔ 「正社員でいるべき」
✔ 「転職するならスキルアップできるところに行くべき」
✔ 「キャリアはこう築くべき」
✔ 「今の年齢だったらこんなキャリアを積むべき」

もちろん、これらの考え方が間違っているわけではありません。ただし、「べき思考」に縛られすぎると、本来自分が望んでいる生き方が見えなくなり、無理に従おうとして苦しくなってしまうことがあるんです。

そんなときこそ、キャリアコンサルタントの役割が重要です。私たちキャリアコンサルタントは、あなたが抱えている「べき思考」の枠を一度外して、本当の自分の希望に気づけるようにサポートします。キャリアだけでなく、人生そのものをもっと自由に選ぶことができるのです。「こうあるべき」よりも「こうしたい」を大切にすることで、心地よく生きるための道が開けます。

キャリアコンサルタントに相談することで、自分の可能性を広げ、もっとラクに、もっと自分らしい選択ができるようになります。自分の選択肢に迷ったとき、他の視点を取り入れたアドバイスが、思わぬ道を切り開くきっかけとなるかもしれません。

「べき思考」から自由になろう

昔の私は、「このくらいやって当然」「まだまだ足りない」と思い込んでいました。でも、それは誰かに言われたわけではなく、自分で作り出したストレスだったんです。
「こうあるべき」よりも、「こうできたらいいな」と思えた方が、心はずっと軽くなる。
あなたの中にも、自分を自分で苦しめる「ストレス製造思考」ありませんか?

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