「今日こそは定時で終わらせるぞ!」そう意気込んだのに、気づけばお昼休みは返上、子どもを寝かしつけた後もまたパソコンを開いている…なんてこと、ありませんか?実は、最近、在宅ワークでのお悩み相談がとても増えています。
上司からは「終わったらパソコン閉じていいからね」「無理しなくていいよ」なんて言われるけれど、現実はそう簡単じゃない。結局、業務は翌日に持ち越されて、自分の首を締めてしまうだけ。責任感が強く、チームを引っ張る立場にあるリーダーのあなただからこそ、この「終わらない仕事の無限ループ」にはまってしまうんですよね。
今日は、この「終わらない仕事」の悩みから抜け出し、自分らしく働くための具体的な秘訣を、3つのステップでお伝えします。
なぜ在宅ワークだと終わらないループに陥るのか?
なぜ、こんなにも頑張っているのに、仕事が終わらないと感じてしまうのでしょうか。その背景には、在宅ワークならではの落とし穴が潜んでいます。
- オンオフの境界線が曖昧になる: 自宅が職場になることで、物理的な区切りがなくなり、仕事モードからプライベートモードへの切り替えが難しくなります。
- 「いつでもできる」の罠: 時間の融通が利くというメリットが、かえってメリハリをなくし、ずるずると仕事をしてしまう原因に。
- 見えにくい業務量: オフィスのように周囲の状況が見えないため、あなたの業務がパンク状態でも、チームや上司に気づかれにくいのです。
- 責任感の強さ: リーダーという立場上、「自分がやらなければ」「チームに迷惑をかけられない」という強い責任感から、つい仕事を抱え込んでしまう傾向にあります。
終わらない仕事から脱却!3つの実践的ステップ
では、このループから抜け出すために、具体的に何をすれば良いのでしょうか?今日から実践できる3つのステップをご紹介します。
ステップ1:業務を「見える化」して上司を巻き込む
「業務量が多いです」と漠然と伝えても、上司は具体的な解決策を考えにくいもの。現状を明確にし、具体的な提案で相談することが重要です。
全業務リストアップ&時間計測
まず、週に・月にどれくらいの業務を抱え、それぞれにどれくらいの時間がかかっているか、実際に計測してみましょう。体感と現実のギャップに気づくはずです。計測する時間も勿体ない気持ちになってしまうかもしれませんが、今後の未来の投資時間を捉え、一度しっかりと実施してみましょう。
【上司への切り出し方例】
「〇〇部長、お時間いただきありがとうございます。現在、私が担当している業務についてご相談があります。週の業務時間を計測したところ、資料作成に〇時間、顧客対応に〇時間、定例会議の準備に〇時間と、週の勤務時間を約△時間オーバーしてしまっている状況です。」
「重要度×緊急度」でタスクを仕分け&優先順位案を提示
リストアップした業務を、本当に今すぐあなたがやるべきか?誰かに任せられるか?後回しにできるか?という視点で仕分けしてみましょう。「緊急ではないが重要なタスク」に時間を割けているか、見直す良い機会です。自分なりに「これは必須業務」「これは優先度を下げられそう」という案を考えてみましょう。
【上司への切り出し方例】
「つきましては、現状の業務を私なりに整理してみました。こちらが『必ずやるべきAランク業務』『重要ですが優先度を調整できるBランク業務』、そして『もしかしたら省略できるかもしれないCランク業務』です(と、リストを見せる)。」
「捨てること」を含めた具体的な提案で相談する
最も重要なのは、何をやらないか、あるいは後回しにするかを具体的に上司とすり合わせることです。特にCランク業務を中心に、具体的な選択肢を提示して上司の判断を仰ぎましょう。
【上司への切り出し方例】
「この中で特にCランクに挙げた『週次の進捗報告資料の〇〇部分』や『△△プロジェクトの月一の細かなデータ集計』などは、現状の業務量を考えると、時間内の対応が難しいと感じています。これらの業務について、
▶一時的に対応をストップしても問題ないでしょうか?
▶頻度を減らす(例:週次から隔週に)ことは可能でしょうか?
▶内容を簡略化する(例:フォーマットを簡素化する)ことは可能でしょうか?
▶他の方に引き継ぎをお願いすることはできないでしょうか?
これらの業務を現状では優先順位を下げたり、対応を一時的に見送ったりすることを許可いただけますでしょうか? 〇〇部長のお考えをお聞かせください。」
(もし業務削減で影響が出そうな場合)
「もし〇〇の業務を一時的にストップする場合、△△の進捗確認が〇日ほど遅れる可能性がありますが、よろしいでしょうか?」
(上司からの承認後)
「ありがとうございます。ご指示いただいた内容で進めさせていただきます。今後も定期的に業務量を確認し、調整が必要な場合は改めてご相談させていただきます。他に業務効率化のためにできることがあればご指導ください。」
ステップ2:自分らしい「オンオフ切り替え」ルールを作る
在宅勤務だからこそ、意識的に「仕事の終わり」と「プライベートの始まり」の合図を設定することが大切です。
「始まりと終わり」の合図を決める
「朝〇時にPCを立ち上げ、〇時には必ずシャットダウンする」と決めるなど、物理的な区切りを作りましょう。仕事着から部屋着に着替える、短時間の散歩に出る、子どものお迎えがスイッチ、など「自分だけの切り替えスイッチ」を設定すると効果的です。
休憩を「義務化」する
お昼休みを削っての仕事は、集中力や生産性の低下を招きます。たった10分でも意識的に仕事から離れ、体を動かす、外の空気を吸うなど、脳と体をリフレッシュさせる時間を確保してください。
家族に協力してもらう
「この時間はママは仕事モードだよ」「〇時からは家族の時間にしようね」と、家族に宣言し、協力を仰ぐことも大切です。境界線を明確にすることで、あなたも家族も安心して過ごせます。
ステップ3:完璧主義を手放し「任せる」勇気を持つ
責任感が強く、何でも自分で抱え込みがちなリーダーだからこそ、時には「手放す」勇気も必要です。
「これは本当に今、私がやるべきこと?」と自問する
その業務のクオリティや納期、担当者について、本当に100点満点を目指す必要があるのか、自問自答してみましょう。時には「70点でもOK」という割り切りも大切です。
信頼して仕事を「渡す」
部下や同僚、上司に業務を適切に任せることは、あなたの負担を減らすだけでなく、彼らの成長機会にもつながります。リーダーとして、チーム全体で成果を出す視点を持つことが重要です。
「できない」を言う勇気
全てを抱え込むのではなく、時には「この業務は、現在の時間では難しいです」と正直に伝える勇気も持ちましょう。それが結果的に、チーム全体の生産性を上げることにも繋がります。
まとめ:しなやかに自分らしく働くリーダーへ
在宅勤務は、場所や時間に縛られずに働ける素晴らしい制度です。しかし、その恩恵を最大限に受けるためには、オンオフの切り替えや業務管理に工夫が本当に必要です。今回ご紹介した3つのステップを実践することで、あなたは「終わらない仕事」の無限ループから抜け出し、本来のリーダーシップを存分に発揮できるようになります。
「自分軸リーダーシップ」を確立し、しなやかに自分らしく働く道は必ずあります。もし、一人でこの悩みを解決するのが難しいと感じたら、いつでもご相談ください。あなたの「自分らしい働き方」を見つけるお手伝いをさせていただきます。