「部下のやる気を引き出すにはどうすればいいのか?」
と悩む上司は多いのですが、実はモチベーションを上げようとする前に、日常的に確認すべき大切なことがあります。
それは、「あなたの日頃の言動が、部下のモチベーションを下げていないか?」という点です。まずは、部下のやる気を上げることを目指す前に、無意識にモチベーションを下げる行動をしていないか振り返りましょう。以下に、私が若かりし頃に気づけなかった、部下のやる気を奪ってしまうNG行動とその改善策をご紹介します。
仕事の目的を伝えずに指示だけ出している
NG例:「とりあえずこれやっといて」
OK例:「この資料は、来週のプレゼンで使うから、△△を意識して作ろう」
目的や背景が分からないまま指示を受けると、部下は「なんのためにやるのか?」とモチベーションを失いやすくなります。小さな仕事でも、「なぜこれをやるのか?」を伝えることで、全体像が掴みやすくなり、やる気が湧きます。
できたことより、できていないことばかり指摘している
NG例:「ここがダメ」「なんでこんなミスするの?」
OK例:「この部分はよかったね!ただ、ここをもう少し改善できるとさらに良くなるよ」
どうしても足りない部分に目が行きがちですが、「できたこと」にもしっかり目を向けることが大切です。成果だけでなく、努力やプロセスを認める声かけを意識しましょう。
部下が話しかけても、いつも『今忙しい』で終わらせている
NG例:「後にして」「今ムリ」
OK例:「今ちょっと手が離せないけど、15分後なら話せるよ」
「今忙しい」の一言で部下を無視してしまうと、モチベーションが下がるだけでなく、問題を抱え込ませる原因にもなります。部下にとって話しやすい雰囲気を作ることが、モチベーションアップに繋がります。
人前でネガティブなフィードバックをする
NG例:「なんでこんなこともできないの?」(みんなの前で)
OK例:「〇〇の部分、少し修正するともっと良くなるよ!」(個別に伝える)
人前でのネガティブな指摘は、部下のパフォーマンスを悪化させる原因になります。フィードバックは個別に伝え、部下が成長できるように前向きな伝え方を意識しましょう。
部下の意見を否定ばかりしている
NG例:「それは違う」「そんなやり方じゃ無理だよ」
OK例:「なるほど、その考えもあるね。こういうやり方も試してみようか」
部下の意見を頭ごなしに否定してしまうと、「言っても無駄」と思われてしまいます。どんな提案でもまずは受け止め、その上で意見を加える姿勢が大切です。
頑張っていることを当たり前に思っている
NG例:「(仕事なんだから、このくらいやって当然でしょ)」
OK例:「忙しい中、ありがとう!助かったよ」
部下が頑張っていても、感謝の言葉がなければ「やっても評価されない」と感じ、モチベーションが下がります。「ありがとう」や「助かったよ」などの感謝の言葉を忘れずに伝えましょう。
仕事をすぐに取り上げてしまう
NG例:「もういい、私がやる」
OK例:「ちょっと時間はかかるかもしれないけど、最後までやってみよう」
部下がミスしそうになったときに、すぐに仕事を取り上げてしまうと、「どうせやらせてもらえない」と感じてしまいます。ミスをしてもフォローしながら、成長を見守る姿勢が大切です。
非言語コミュニケーションの重要性
言葉だけでなく、非言語コミュニケーションも部下のモチベーションに大きな影響を与えます。体の動きや表情、視線、声のトーン、姿勢など、無意識に発信しているメッセージが部下に伝わります。
非言語コミュニケーションの改善策
- アイコンタクトを大切にする
部下と話すときに目を合わせることで、信頼関係を築きます。目を合わせないと、部下は自分の意見を無視されていると感じることがあります。 - オープンな姿勢を取る
腕を組んだり、背中を丸めたりする姿勢は閉鎖的に見えます。肩の力を抜き、リラックスした姿勢を心がけることで、部下が話しやすくなります。 - 表情を意識する
常に厳しい表情ではなく、笑顔や安心感を与える表情を意識しましょう。表情は部下の心を開く大きな手助けになります。 - 声のトーンとペースを調整する
早口で話したり、単調なトーンで話すことは、部下にプレッシャーを与えることがあります。穏やかで落ち着いたトーンで話すことが、部下のリラックスを促進します。
まとめ:部下のモチベーションを上げるためにできること
部下のモチベーションを引き出すことは難しいですが、「モチベーションを下げる行動をしない」ことなら、今日からでも実践できます。言葉だけでなく、非言語でも部下に良い影響を与えることができることを忘れずに。
まずは、部下が気持ちよく働ける環境を作ることが、結果的にモチベーションアップに繋がります。
いますぐ実践できることから始めてみませんか?