「分かりました」と返されたとき、あなたはどのくらい安心していますか?
リーダーや上司として仕事をしていると、部下からのこの言葉にホッとすることも多いもの。でも実は、この「分かりました」が“分かっていない”こと、よくあります。
以前、「報連相が機能しない理由」について書きましたが、今回は少し違う切り口で書いてみたいと思います。
「分かりました」や「大丈夫です」は、本当に信じていい?
新入社員や経験の浅いメンバーは、上司の話を途中で遮ったり、「それってどういう意味ですか?」と聞き返すのが苦手です。私も新人だったらとても出来る自信はありません。だからこそ、とりあえず「分かりました」や「大丈夫です」と返して、その場を終わらせようとすることがあります。
「何か質問ある?」と聞いても、「大丈夫です」と返される。
でもその「大丈夫」は、「今は特にない」という意味ではなく、「何が分からないか分からないから、とりあえず何も聞かない」というサインかもしれません。
表面上はうまくいっているようでも、内心では不安や疑問が渦巻いている。そんな状態で仕事を進めれば、後から手戻りが起きたり、自己判断でのミスが増えたりするのは自然なことですよね。
上司ができる“ひと工夫”
こうしたすれ違いを防ぐには、「本当に分かったのかな?」という視点を持つことが大切です。
たとえば…
- 「じゃあ、どんな風に進めてみる?」と行動ベースで確認する
- 「どこかでつまずきそうなところはある?」と予測を共有してもらう
- 「これ、◯◯さんも前に困ってたポイントなんだけど…」と先回りのアドバイスを入れる
こういった問いかけによって、「あ、聞いてもいいんだ」と感じてもらえるようになります。
「分かりません」と言いやすい空気づくりを
「質問しにくい」「また怒られるかも」
そう思わせてしまっていたら、部下は“分かったふり”や“聞かない選択”をしてしまいます。
だからこそ、上司側からも…
- 「あとから分からなくなっても全然OKだから、気軽に聞いてね」
- 「最初はよく分からないのが普通だよ」
そんな一言を添えて、「聞いても大丈夫」と思ってもらえる関係を築いていきたいですね。
おわりに:「分かりました」のその先を一緒に見に行こう
「分かりました」や「大丈夫です」の奥には、安心したい気持ち、不安を知られたくない気持ち、そして“期待に応えたい”という思いが潜んでいるかもしれません。だからこそ、表面の言葉だけで判断せず、その奥にある気持ちを汲み取ろうとする関わりが、チームの成長にもつながっていきます。
「分かりました」のその先を、一緒に見に行く。
そんなリーダーでありたいですね。