Z世代の育成に悩む管理職へ—成長を促す方法とは?

リーダーシップ

今、組織で働く人々の多様化が進み、管理職がメンバーとの関わりに悩むケースが増えています。特に、「Z世代をどう育てるか?」は、企業の成長にとっても重要なテーマです。
私はこれまでZ世代向けの研修に数多く登壇し、彼らの価値観や行動特性を深く探求してきました。

今日は、Z世代が育ってきた環境や特徴、そして育成のポイントについて解説します。

Z世代とは?

Z世代(1990年代後半〜2010年代前半生まれ)とは、幼少期からスマートフォンやSNSが当たり前の環境で育ち、情報へのアクセスが迅速なデジタルネイティブ世代です。

彼らは、効率・柔軟性・透明性を重視し、「意味のある仕事」を求める傾向があります。また、「チームのため」よりも「自分にとって価値があるか?」を基準に行動するのも特徴です。

Z世代が育った環境と育成のポイント

少子化の進展と”お客様扱い”されてきた世代

少子化の影響で、Z世代は手厚いサービスに囲まれて育ちました。
学校や習い事でも「お客様扱い」されることが多く、与えられることが当たり前になっています。
そのため、受け身の姿勢になりやすいのが特徴です。

育成ポイント
・指示されたことは素直にこなすが、主体的に動く習慣は少ない
・仕事の背景や意義を丁寧に説明し、目的意識を持たせる
・「なぜその仕事をするのか?」「何を期待しているのか?」を明確に伝える

デジタルネイティブ世代:検索=学習の習慣

Z世代は、知識の習得を「検索」に頼るため、答えをすぐに得られる環境に慣れています。しかし、その分、深く考える習慣が育ちにくい傾向があります。

育成ポイント
・「なぜその選択をしたのか?」を問うことで、考える習慣を身につけさせる
・チームでの議論やフィードバックを増やし、複数の視点を学ぶ機会を作る
・一つの正解ではなく、「どんな選択肢があるか?」を考えさせる

個人主義×強い仲間意識のギャップ

Z世代は、個人主義的でありながらも「共感」を重視する世代です。SNSでのつながりを大切にし、リアルよりもオンラインの関係を重視する傾向があります。

また、表面上は穏やかでも、納得しなければ動かないのも特徴的。従来の「とりあえずやってみよう」という指導は、逆効果になることが多いです。

育成ポイント
・「これはあなたにとってどういう意味があるか?」を意識的に伝える
・「会社のために」ではなく、「あなた自身の成長につながるから」という伝え方をする
・指示命令よりも、対話を通じて納得感を持たせる

「For the team」ではなく「For you」の時代

かつては「チームのために頑張る」が美徳でしたが、Z世代は「自分にとって価値があるか?」を重視します。
元野球日本代表・栗山監督や、青山学院陸上部・原監督も、「チームのため」より「選手一人ひとりのため」に指導する方針に変えたところ、結果が出るようになったと語っています。

育成ポイント
・「あなたにとってこの仕事がどうプラスになるか?」を伝える
・「チームの目標」よりも、「個々の成長」を強調する
・仕事を依頼する際、「どう思う?」「あなたならどうする?」と意見を求める

Z世代を活かすための組織づくり

Z世代を育成する上で、企業側も従来のマネジメントをアップデートする必要があります。

透明性のある組織づくり

Z世代は、会社の方針や評価基準が不透明だと、信頼を失いやすいです。
・企業の経営方針や評価基準をオープンにする
・社内SNSや全体ミーティングで、定期的に情報共有を行う

柔軟な働き方の提供

リモートワークやフレックス勤務など、自分のライフスタイルに合わせた働き方を求める傾向が強いです。
・「週3日はオフィス残りはリモート」など柔軟な勤務形態の導入
・業務時間の一部を「自己学習」に使える制度を設ける

意義のある仕事を与える

Z世代は、「この仕事が社会にどんな影響を与えるのか?」を強く意識します。
・企業のビジョンやミッションを明確に伝える
・SDGsや環境問題など、社会課題に取り組むプロジェクトを用意する

明日から実践できる3つのアクション

仕事の目的・意義を伝える対話を増やす
・ただの業務指示ではなく、「なぜこの仕事が重要なのか?」を伝える
・「あなたにとってどんな価値があるのか?」をセットで説明

意見を引き出すミーティング進行
・「何か意見ある?」ではなく、「もし〇〇を改善するとしたら?」と具体的な問いかけをする
・意見を求められると、Z世代は主体的になりやすい

デジタルツールを活用して情報共有をスムーズに
・SlackやTeamsなどを活用し、リアルタイムで情報共有できる環境を整える
・紙の資料ではなく、デジタルでの共有が理解しやすい

まとめ

Z世代の育成には、「指示命令型」ではなく「対話型」のコミュニケーションが求められます。彼らの価値観やライフスタイルを理解し「なぜやるのか?」をしっかり伝えることが、Z世代の成長を促し、企業の発展にもつながります。これからの人材育成のキーワードは、「個人を尊重し、対話で納得させるマネジメント」です。

Z世代と共に、新しい働き方を築いていきましょう!

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