「フィードバックします」と言われて、期待して聞いたのに…ただのダメ出しだった。そんな経験、ありませんか?
上司や先輩から「フィードバックするね」と言われて期待していたのに、いざ話を聞いてみると、出てきたのは厳しい指摘ばかり。「なんでそんな言い方されなきゃいけないの?」とモヤモヤした経験、あなたにもありませんか?
実は私自身も、かつてはそうした“ダメ出し型フィードバック”をしてしまっていたひとりです。今思えば、指摘ばかりで、相手の成長を支えるどころか、モチベーションを下げてしまっていたなと反省しています。
たとえば、部下に対してこんな言葉をよく使っていました。
「どうしてそうしたの?」
「これ、何回目だと思ってる?」
今振り返ると、本当に申し訳ない気持ちになります。
フィードバックは、最近よく聞くワードになってきましたが、今日は私の過去のダメ出し経験も振り返りながら、効果的なフィードバックについて考えてみたいと思います。
フィードバックは「指摘」ではなく「成長の後押し」
本来、フィードバックの目的は「成長をサポートすること」です。しかし現場では、注意や課題の指摘に終始してしまい、かえって意欲を削いでしまうケースも少なくありません。
フィードバックの目的は、4つの“後押し”
成長のサポート
評価を伝えることではなく、相手の成長を後押しするのが本来の目的です。
振り返りと改善のきっかけ
自分の行動を見つめ直し、改善点を見つける手助けになります。
自己肯定感の向上
良い点もきちんと伝えることで、「自分の強み」に気づき、前向きな行動につながります。
行動の変化を引き出す
「次はどうすればいいか?」が明確になることで、実際の行動が変わっていきます。
「フィードバック」と「指摘」はどう違う?
焦点の違い
・指摘:問題点だけに注目する
・フィードバック:良い点と改善点の両方に目を向ける
伝え方の違い(例)
・指摘:「ここがダメ」「もっと頑張って」
・フィードバック:「ここは良かった」「こうするともっと良くなるよ」
受け手の反応の違い
・指摘:萎縮したり、自己否定につながることがある
・フィードバック:成長意欲が高まり、前向きな行動につながる
指摘だけだと、「自分はダメなんだ…」という気持ちを残してしまいます。それに対してフィードバックは、「できたこと」と「もっと良くなるヒント」を伝えることで、相手が前向きに行動できるようになります。
よくある“残念なフィードバック”の例
現場でよく聞くこんな言葉…思い当たるもの、ありませんか?
- 「もっとちゃんとやって」
→ 何をどう改善すればいいのかが不明 - 「ミスが多いよ」
→ 具体的にどのミスか分からない - 「前にも言ったよね?」
→ 何がどう問題なのかが伝わらない - 「もっと考えてやって」
→ 抽象的すぎて改善のしようがない
このような言葉は、相手の行動を変えることはできず、モチベーションを下げてしまう可能性が高いです。
成長につながる、効果的なフィードバックのポイント
まずは「良かったところ」から伝える
ポジティブなフィードバックは、相手の心を開きやすくします。例:「プレゼンの構成がしっかりしていて、すごく分かりやすかったよ」特にZ世代は、「自分を尊重してくれているか」に敏感です。上から目線ではなく、“一緒に考える姿勢”を持つことが大切です。
改善点は「具体的に」伝える
例:「構成は良かったけど、資料のデータ部分にもう少し説明が加わると、説得力が増すよ」こうした具体的なアドバイスがあることで、次回への改善がしやすくなります。
成長の「選択肢」を提示する
Z世代は選択肢があることに慣れている世代。一方的に「次回はこれで」と伝えるよりも、
「この2つのやり方があるけど、どちらがやりやすいと思う?」といった問いかけを通して、主体性を引き出すのが効果的です。自分で選んだ感覚があると、行動への責任感も自然と強まります。
まとめ:フィードバックの伝え方を変えれば、チームの成長が加速する
もう一度、フィードバックの本質を振り返ってみましょう。
- 目的は「成長のサポート」
- 指摘ではなく「気づきと行動変容」のきっかけを与えること
- 良い点+改善点をセットで伝える
- 一方的でなく、選択肢を示しながら寄り添う姿勢が大切
伝え方を少し変えるだけで、チームの雰囲気も、相手のモチベーションも大きく変わります。次にフィードバックをする場面では、ぜひこのポイントを意識してみてくださいね。
次に誰かにフィードバックをするとき、どんな言葉をかけてみたいですか?