毎日、本当にお疲れさまです。気づけば今日も遅くまで働いていて、「このままいいのかな?」と、ふと立ち止まる瞬間はありませんか?
─また終電。
─部下のフォローに追われて、自分のことは後回し。
─家族との時間を削ってまで頑張って…本当に、これでいいの?
もしそんな気持ちがよぎったなら、今日のこの記事は、きっとあなたの考えるヒントになると思います。
以前、投稿した「ワークライフインテグレーション」。「考え方は理解できたけど、じゃあ実際どうしたらいいの?」という声をいただきました。今回は、そのヒントとなる “日々の中で少しずつ取り入れられる工夫” をご紹介していきます。
リーダーの「あるある」を変える「4L」という視点
部長からの指示、部下からの相談、取引先との調整…。板挟みになりがちなあなたが、もっと人生を豊かにするために知っておくと良いフレームワークがあります。
それが、L・サニー・ハンセン(Hansen,L.Sunny)が「人生を豊かにするには、4つの要素をバランスよく充実させることが大切」として提唱したシンプルなフレームワークです。
Labor(仕事・労働・貢献)
- 日々のマネジメント業務
- チームの成果創出
- 会社への貢献
- 本業・副業問わず収入を得る活動
Love(愛・つながり)
- 家族との何気ない会話
- 部下との信頼関係づくり/同僚との協力関係
- 友人との支え合い
- 家事/育児/介護/ペットのお世話など大切な人と過ごす時間
Learning(学習・成長)
- マネジメントスキルの向上
- 業界知識のアップデート
- 資格取得への挑戦
- 人生を豊かにする学び
Leisure(余暇・回復)
- 好きな音楽を聞く時間
- 散歩やジョギング
- 読書やゲーム
- ただボーッとする時間
ハンセンは「どれか一つだけを頑張るのではなく、4つ全てがお互いに良い影響を与え合うことで、人生はより充実する」と考えたのです。つまり、仕事だけ頑張るのではなく、家族との大切な時間も、自己成長するための学習時間も、好きなことに没頭する休息時間も大切にすることで、結果的に仕事のパフォーマンスも向上するということです。
なぜリーダーこそ「4L」が必要なのか?
「忙しいのに、そんな余裕はない」そう思われるかもしれません。
でも、考えてみてください。
あなたがバランスを崩せば、チーム全体に影響が及びます。
- 疲れ切ったリーダーに、部下はついてきてくれるでしょうか?自分も目指したい!と思われるでしょうか?
- 余裕がなくてイライラモヤモヤ、家族関係がギクシャクしていて、良いパフォーマンスを発揮できるでしょうか?
- 学び続けることを止めたリーダーが、この変化の激しい時代を生き抜けるでしょうか?
4Lのバランスを取ることは、あなた自身のためだけでなく、あなたが責任を持つ全ての人のためなのです。
実際のマネジメント層が実践した「4L統合」の例
ケース1:会議の合間の「Love」
Aさん(課長・40代)は、部下との1on1を「業務確認の場」から「信頼関係を深める場」に変えました。5分でも雑談時間を作ることで、部下のモチベーションが向上し、結果的にチーム全体の生産性がアップしました。
ケース2:通勤時間の「Learning」
Bさん(マネージャー・30代)は、通勤電車でビジネス書のオーディオブックを聞くことを習慣化。新しい知識が普段の仕事にも活かされ、上司からの評価も上がりました。
ケース3:ランチタイムの「Leisure」
Cさん(部長・50代)は、デスクでの「PC見ながら昼食」をやめ、近くの公園で15分だけでも外の空気を吸うように。午後の集中力が格段に向上しました。
今すぐできるあなたの「4L診断」と改善法
ステップ1:現状の見える化(5分でOK)
以下の質問に、正直に答えてみてください。
Love(つながり)
- 今週、家族と心から話せた時間は?
- 部下と業務以外の話をした時間は?
Labor(労働)
- 今の仕事にやりがいを感じている?
- 成果に対して適切な達成感を得られている?
Learning(学習)
- 最近、新しい知識やスキルを身につけた?
- 学ぶことに時間を割けている?
Leisure(余暇)
- 心からリラックスできる時間がある?
- 趣味や楽しみに時間を使えている?
ステップ2:「スモールスタート」で改善
完璧を目指す必要はありません。例えば:
Love不足なら
- 毎朝、家族に「今日も頑張って」と笑顔で声をかける(30秒)
- 部下に「お疲れ様・ありがとう」の労いの一言を意識的に伝える(10秒)
Learning不足なら
- 通勤時間にポッドキャストを聞く(移動時間を有効活用)
- ランチ後の10分でニュースアプリをチェック
Leisure不足なら
- エレベーターを使わず階段を使う(軽い運動)
- コーヒーを飲む時、スマホを見ずに味わう
4Lが統合されると、こんな変化が起きます
多くのマネジメント層の方が実践して感じている変化:
- 集中力の向上:メリハリがつき、短時間で成果が出せるように
- 部下からの信頼度UP:人間味のあるリーダーとして慕われるように
- 家族関係の改善:仕事の愚痴ではなく、学びや成長を共有できるように
- ストレス耐性の向上:複数の充実感の源があることで、一つがうまくいかなくても安定
まとめ:人生全体を彩りよく豊かに
あなたは組織の要として、多くの人に影響を与える立場にいます。だからこそ、仕事だけでなく人生全体を豊かにする視点が必要なのです。「4L」は、決して理想論ではありません。忙しいリーダーでも実践できる、現実的なフレームワークです。
今日から。どれか一つの「L」に、たった5分でも意識を向けてみてください。その小さな一歩が、あなたの人生を、そしてあなたが関わる全ての人の人生を、より豊かなものに変えていくはずです。