「周りの先輩リーダーは何でも完璧にこなしていて、成果も上げている。もうスーパーマンにしか見えないくらいすごい。自分はそんな風にはなれない…」
自分は要領も悪く、部下の悩みには応えきれず、気付けば今日も残業…「自分はリーダー向いてないのかも」と毎日ため息が出ます。
これは、管理職になって約1年のある方からお聞きした言葉です。日々の残業で心身ともに疲弊しながらも、チームのために強い責任感を持って取り組まれている姿が印象的でした。
もしかすると、あなたも同じような想いを抱えていませんか?
「上司はこうあるべき」「あの人のようにならなきゃ」そんな”型”に自分を当てはめようとして、息苦しさを感じていませんか?
「べき論」の落とし穴
尊敬する上司や理想像を持つことは、成長のために大切なことです。しかし、そこに自分を無理やり押し込めようとすると、なぜか心が重くなってしまう。そんな経験があるなら、もしかするとあなたは”べき論”に囚われているのかもしれません。
- 「あの人のように、的確な指示を出さなければならない」
- 「部下の悩みを全て受け止めて、解決してあげなければならない」
- 「完璧でなければ、リーダー失格だ」
- 「期待に100%応えられる自分でいなければならない」
こんな“べき論”にとらわれすぎると、どうなるでしょうか?
こうした思い込みが強くなりすぎると、目の前にいる部下一人ひとりの個性や、あなた自身が本来持っている強みが見えなくなってしまいます。「理想」という型に自分を無理やり合わせようとした結果、どんなに努力しても「なにかか違う」としっくりこない感覚が残り、自信を失ってしまうのです。
リーダーシップに「正解」はない
リーダーシップに「正解」はありません!
尊敬する上司から学ぶことは素晴らしいことです。ただし、それはあくまで「参考」として取り入れ、あなた自身の個性と組み合わせることが重要なのです。
例えば、あなたには次のような強みがあるかもしれません。
- 傾聴力:部下が「この人になら話せる」と感じる安心感を与えられる
- 観察力:チームメンバーの小さな変化や成長に気づける
- 調整力:異なる意見を持つメンバー同士をうまくまとめられる
- 共感力:相手の立場に立って物事を考えられる
これらはすべて、リーダーとしてとても価値のある資質です。大切なのことは、あなたにしかできないリーダーシップの形があるということです。
【保存版】自分らしいリーダーシップを発見する3つのステップ
では、「自分らしいリーダーシップ」をどのように見つければよいのでしょうか?答えは、あなたの過去の経験に隠されています。
ステップ1:成功体験を振り返る
これまでのキャリアで、以下のような場面を思い出してみてください。
- 自然体で部下やチームメンバーと関われたとき
- チームの雰囲気が良くなり、結果として良い成果が出たとき
- 誰かから「ありがとう」と心から感謝されて嬉しかった瞬間
ステップ2:具体的な行動を分析する
ステップ1で思い出した場面で、あなたは具体的にどんな行動をとっていましたか?
例えば:
- 「部下が困っているとき、まず最後まで話を聞いて、一緒に解決策を考えた」
- 「チームのミーティングで全員が発言しやすい雰囲気作りを心がけた」
- 「メンバーの得意分野を活かせる役割分担を提案した」
ステップ3:パターンを見つける
複数の成功体験から共通するパターンを見つけてください。それがあなたの「自分軸リーダーシップスタイル」です。
実践のコツ: 週に1回、15分程度の振り返り時間を作り、「今週、自分らしく行動できた場面はどこか?」を考える習慣をつけてみてください。
多様な経験こそが強みになる
「仕事以外の経験ってリーダーシップに関係あるの?」という声が聞こえてきそうですが、実は大ありです。子育てや介護、趣味活動など、仕事以外の経験も立派なリーダーシップの源泉なのです。
例えば、日々の生活で培われる、
- 時間管理能力:限られた時間の中で優先順位をつける力
- 柔軟性:予期せぬ状況への適応力
- 忍耐力:長期的な視点で物事を捉える
これらの経験で培われた能力は、必ず仕事にも還元され、あなた独自のリーダーシップに深みと温かさをもたらします。
まとめ:自分にしかできないリーダーシップを育てよう
誰かの”型”に無理やり自分を押し込める必要はありません。尊敬する上司の良いところ、反面教師となる経験、そして何よりあなた自身の経験と価値観を組み合わせて、あなただけのリーダーシップを創り上げていけば良いのです。
今日からできる小さな一歩:
- 今週、あなたらしく行動できた場面を1つ思い出す
- その時の行動を具体的に書き出す
- 来週、その強みを意識して1つの場面で実践してみる
自分にしかできないリーダーシップを見つけて育てていくこと。それが、あなたが自信を持って、しなやかに働き続けるための土台となります。完璧な上司になる必要はありません。あなたらしいリーダーになることを始めてみませんか?